ハッピーリタイヤ
「ぼくは恐竜造形家」発売記念小噺(ウソ)
201X年のワンダーフェスティバル(通称ワンフェス)会場にて。
中年男がディーラーで参加していた。
その作品が非常に出来が良い。
会場を見て回っていた大手玩具メーカーの幹部が彼の作品を見て、
「素晴らしい原型だね。プロでやってるの?」と尋ねた。
すると中年男は、「いえいえ、趣味ですよ。派遣社員なんですが、女房と共働きでなんとか食ってます。原型は週末にちょこちょこっと作ってるだけです。」
メーカー幹部は「それは惜しい。プロに転向したらもっと儲かるのに。」と言うと、中年男は、「お小遣い程度儲かれば十分です。エヘヘ」と答えた。
「それじゃ普段は何してるの?」とメーカー幹部が聞くと、中年男は「仕事の無いときは朝から箱積みのプラモを作ったり、DVD見たり、女房と映画見に行ったり、酒飲んだり・・・エヘヘ」
するとメーカー幹部は真面目な顔で中年男に向かってこう言った。
「業界に詳しい人間として、君にアドバイスしよう。君はすぐ仕事を辞めて、原型制作に専念すべきだ。そして生産数を増やし、ワンフェスだけじゃなくHPで通販も始める。すると売り上げも増える。その儲けで若い原型師を何人か雇い、人気キャラクターの版権を取ってもっと生産数を増やすんだ。
売り上げが伸びれば次に会社にしてオリジナルキャラクターを作り、オリジナルビデオやゲームを作るんだ。そうなれば、もう君は原型を作る必要がない。指揮してればいいんだ。」
中年男は尋ねた。「そうなるまでどれぐらいかかりますかね?」
「朝から晩までがんばれば、20年、いやおそらく15年でそこまでいくだろう。」
「それからどうなります?」
「それから?」メーカー幹部はにんまりと笑い、「今度はその会社を売却して、君は大金持ちでハッピーリタイヤさ。」
「え?引退ですか?」
「そうさ、そうなれば、君は朝から好きなプラモを作ったり、DVD見たり、女房と映画を見に行ったり、酒飲んだり・・・どうだい!素晴らしいだろ!」
(モトネタ)
つっこみどころ満載で申し訳ありません。でも人生こんなもんですよ。たぶん・・・。
(このブログは「恐竜模型の世界」の一部です)
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