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2011年4月25日 (月)

恐竜はビジネスにたり得るか?続き

前編は最近珍しく酔っ払いながら書いた、フワッしたエントリーでしたが、割と興味のある方が多そうなので続編を。

おそらく恐竜のビジネスについて語った唯一の本は、「知られざる日本の恐竜文化」(著:金子隆一、祥伝社新書)でしょう。

私がこの本で、とても「なるほど」と記憶に残っているのは、「日本では恐竜専門の継続的な大衆誌が育たない」という筆者の実感でした。(だいたいこんな意味だったと思います)

筆者である金子氏は学研の「恐竜学最前線 」(全13冊)や「ディノプレス 」(全7冊)を企画しましたが、色んな事情で存続させることができなかった実感なのでしょう。

例えば「鉄ちゃん」と呼ばれる、鉄道ファン・マニアには、鉄道模型が好きなひと、日本全国の駅を回る人、写真を撮るひとなど色んな形態があります。またそれを裏付けるように、書店に行けば鉄道関係の週刊・月刊・単行問わず、硬軟取混ぜ専門誌が何十冊もあります。

イヌやネコ、鳥などのペットはもちろん、「石」ですら(失礼!)何十年も続く専門誌が存在します。

書店に並んでいる週刊誌や月刊誌の数を見れば、日本人のお金がどの分野に費やされているか、何なら喜んでお金を出すのか何となく分かるような気がします。(ファッション誌やエロ雑誌が何冊あるか数えてみなはれ

これはもちろん、その本が売れることにより、儲かる企業(例えばペット専門誌なら、ドックフードなど)がスポンサーにつくからで、それを儲けさせる実際の読者=ペットを飼っている人が、それだけの数いるということでしょう。

つまり、日本では一冊の恐竜専門誌を存続させることができないほど、恐竜ファン・マニアもスポンサーも少ないということでしょうか?
と言うことは、恐竜はビジネスにたり・得・な・・・

ちょっとさみしい結論になりそうですが、みなさんどう思われます?

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コメント

恐竜がビジネス足りえるのかというタイトルと、スポンサーの有無による雑誌の存続を混同するとテーマが不明瞭になりますね。情報発信に関して言えば他の大衆娯楽の雑誌ですら存続の必要性は同じ水準にあるのではないでしょうか。つまり、荒木さんのご指摘通り、書店に流通している雑誌はスポンサーによる寄席のような役割を負っているだけの、極論すればただの飾りだってことです。今やネットで最新情報を得る方が安上がりで手軽なわけですし、雑誌という形態を重視する理由もなくなりました。グッズ展開をしようにも限界が見えすぎているようです。また雑誌を存続そせようにも対象となる層を見極めにくいのも一つの原因かも知れません。但しどの層にターゲットを定めたとしても、現在最も強く求められ、達成されつつあるメディアの双方向性にも恐竜という分野は絶望的なまでに相性が悪いな、と私なんかは感じています。専門的な知識を持ったディープな人なら話題は細分化され大衆雑誌というポータルな場はむしろ足枷になってしまいますし、もっと表層的なファンにとっては既に絶滅した動物に関する話題量には限界があるばかりに、コミュニティは成長しません。こんなことを言うと身も蓋もありませんけど、恐竜が日本の風俗に定着しないのは絶滅してしまっていること、しかも日本ではその化石がほとんど出土しない為に、より遠い存在であることが根本原因であると思います。
長文失礼しました。
あとまたアポロ模型ですかwww毎回泥臭い古代生物の合間にツルツルピカピカのアポロ記事見ると半笑いになります。

投稿: こっぺ | 2011年4月25日 (月) 19時35分

こっぺさん、コメントありがとうございます。
なるほど。私のようなむかし人間はどうしても紙媒体を重要視しますが、もう時代遅れかも知れませんね。
個々の仕事として恐竜に関わることはできますが、大きなパイが果たしてできるのか?
現時点ではできていないのかな?という意味の日記でした。
恐竜化石がいっぱい出ているアメリカや中国に何かお手本がありそうですが…

投稿: カズやん | 2011年4月25日 (月) 22時45分

自己レスですみません。
一晩経って矛盾していることが分かりました。
スポンサーがないから一冊の本も継続できないんじゃなくて、そのスポンサー=儲かる恐竜の仕事って開拓できるかってことですね。
とりあえず、恐竜パフォーマンスにはがんばってもらいましょう

投稿: カズやん | 2011年4月26日 (火) 09時21分

大変興味深いですね。
荒木さんの意見もこっぺさんの意見も鋭いなぁと感じました。
でも、問題点が明確になれば、対策も打てるはずですね。現状を嘆くばかりではもったいない。

「恐竜の楽しみ方」を増やす必要があると思います。
私の場合、荒木さんから「恐竜を作る楽しみ」を教えていただいたところから恐竜に興味を持ちました。
素材から作るとなると敷居が高い人も多いと思うので、タミヤの恐竜プラモのようなものにも頑張って欲しいですね。

模型を集めるにしても、サイズもスケールもバラバラでは集めただけで終わってしまいますが、鉄道模型のように規格が統一されていれば、他のメーカーが作った模型同士を並べて楽しむことも出来ますね。

恐竜パフォーマンスやWDDも新たな恐竜の楽しみ方でしょうか。

先日の静岡の恐竜展示のようにITを駆使すると、今までとは又違った楽しみ方が出来そうです。

今風に言うと、コンテンツが増えれば、興味を持つ人も増えるし、雑誌などのスポンサーもつきやすくなるのではないでしょうか。

恐竜ビジネスを拡大するのに、今が丁度、いいチャンスなのかもしれませんね!

投稿: 友ぞ。 | 2011年4月26日 (火) 12時31分

こっぺさんの論旨にはいちいち頷かされます。ほとんどその通りだと思います。

しかし、夏になれば年中行事のように各地で恐竜展や恐竜博が開かれ、そこそこの集客力を見せていますし、恐竜フィギュアやDVDなども、ジャンルを形成するくらいの購買層があるところを見ると、どうして雑誌メディアだけがこれほどの惨状を見せるのか、ちょっと不思議な気がします。

鉄道模型やプラモデルだって、ジャンルとしてはそれほどメジャーとは思えないのに専門誌が乱立している現状を見ると、恐竜関連の雑誌はアプローチの仕方を間違えているんじゃないかと思えてきます。

もともと月刊誌や隔月刊で出せるほど新情報が豊富なジャンルではありませんし、半年に一度、あるいは年鑑くらいのスタイルがちょうどいいのかも知れません。

少々お高く、また分厚くなっても、その年一年間の新情報をきっちりまとめた年鑑が出たら、個人的には嬉しいですけどね(^^)

投稿: TOM | 2011年4月26日 (火) 13時01分

映画や夏休みの恐竜展やカードゲームなど、今までのマーケティングの方向性からどうしても若年層がメインターゲットとして認識されがちなのではないでしょうか。
友ぞ。さんの言うように「恐竜の楽しみ方」の多様化が重要かと思いました。

投稿: TAKEBU | 2011年4月26日 (火) 14時37分

友ぞ。さん、TOMさん、TAKEBUさん、有意義な御意見、ありがとうございます。

私はね、恐竜の位置づけって、ペットを除いた動物全般とよく似ていると思います。

博物館を動物園に、恐竜展をサーカスになぞらえてみると、模型の有無やおもちゃ、ぬいぐるみ、テレビでの取り上げ方など、そっくりだと思います。
その意味で、平凡社「アニマ」が休刊になったとき、愕然とした覚えがあります。

何が言いたいか自分でも分かりませんが、動物ビジネスもペットビジネス以外は袋小路に陥っているような感じがします。

ん?と言うことは、恐竜のペット化が・・・無理か

投稿: カズやん | 2011年4月26日 (火) 16時33分

初めに、私としては荒木さんこそ「恐竜はビジネス足りうる」を証明されている方だと思います。
規模の大小を抜きにすれば、「恐竜だけで食っていける」ということを具現化されており、それを本として出版されたり、後援されたりすることで、日本の若者達に新たな人生の選択肢を示されていると思っています。
私が荒木さんを尊敬し、惹きつけられるのはそこだと思っています。(生意気ですみません。)

さて、荒木さんの「恐竜ビジネスは動物と似ている」という印象には共感します。
だとすれば、旭山動物園をお手本に恐竜博物館や恐竜公園のようなものを作れないでしょうか?
動物に比べ、恐竜は生きて動いていないという意味でさらにポイントが下がってしまいますが、今のロボット技術、先日の着ぐるみ等で「生きている恐竜」を再現することは?
と、書きながら、一過性のブームで終わり、10年後には閉園という姿も想像できてしまいますが・・・

恐竜をペット化については、ちょうど最近、家族に話したところでした。
ペットロボットという手もありそうですが、やっぱり、すぐに飽きられますかね・・・。

既に絶滅し、日本では化石もあまり出ないなど、恐竜はビッグビジネスには向かないのかもしれませんね。
でも、あまり費用をかけず、細く長く「子供達の夢」と「大人の趣味」として耐えうるだけのものを提供し続けることは可能だと思います。

TOMさんの年鑑的なものを発行するというのは良い案だと思いました。
1年間まとめれば、新たな恐竜研究の成果や新たに発売された恐竜グッズなど、十分、読み応えのあるものに出来るでしょうし、何より、定期的に継続するというのが大事かと。

あとは福井県の恐竜博物館に日本の「恐竜のメッカ」としての地位を築き上げていくのはどうですかね?
関東や他の地方にもサテライトミュージアム・ショップを作り、骨格標本を巡回させたり、グッズを販売したりして、「いつかは福井県の本館に行ってみたいなぁ」と思わせてくれたら、と関東にいる人間としてはうれしいですね。

なので、今回の東京タワーの展示には絶対に行きたいと思います。

長くなってすみませんでした。

投稿: 友ぞ。 | 2011年4月27日 (水) 07時32分

なんか紙媒体の本に固執しているようで何ですが、例えば、博物館や海洋堂、フェバリットなどのグッズ販売会社、ビデオの制作会社、イベント会社、化石販売会社、個人の恐竜関係者、などが広告を出して、季刊でも年2回でも硬軟取り混ぜた出版物が出るような時代が来ないかなと、本当に切望します。(ディノプレスがそうでしたが)
確かに最新情報はネットでリアルタイムで手に入りますが、本て言うのは記録だと思うので、手にとって見えるものでないとという気がします。やっぱり古いのかな~

友ぞ。さん、夢を壊すようで申し訳ありませんが、私は「恐竜だけ」ではとてもメシは食っていけないのが現状です。

ただ実感としては、20年前よりも明らかに恐竜を取り巻く市場は大きくなっていると思います。
徐々にでも市民権を得てきてるということは、とても良いことではないでしょうか。
(私が科学館で講演できるのも、そのおかげでしょう

投稿: カズやん | 2011年4月27日 (水) 11時14分

>「恐竜だけ」ではとてもメシは食っていけない

そうでしたか。素人の浅はかな考えでした。すみません。
でも、先に書いた荒木さんへの思いは変わりません。
「ぼくは恐竜造形家」の出版により、確実に日本の恐竜ビジネスは変わってきていると思います。

今後も子供達に夢を与えてください。
応援しています!!
まずは、このブログのアフィリエイトをポチッとなする回数を増やすところから・・・

投稿: 友ぞ。 | 2011年4月27日 (水) 12時37分

アハハ ちょっと夢のないことを書きすぎましたね。私は好きなことをしているので今は幸せです。
ただ、私にはそれを大きくする力がない。
やっぱり戦略や仕掛けが必要なのかと思います。

投稿: カズやん | 2011年4月27日 (水) 15時36分

 ビジネスで捉えると「恐竜博」なんて弩メジャーなイベントができるのは凄いと
思います、あれだけガキ共いや子供達を引きつけるモノをできるのは他の分野で
そんなに無いと思いますのでビジネスのキャパシティー的には問題ないでしょう。

 一番の問題は「専門誌が無い」事だと思います、過去の恐竜雑誌を見てて思ったのはライターの人達(研究者は除く)はどうやってそこまで育ったかが疑問でした。
 私自身マニア気質のためかン十年と購読している専門誌がありますが、若い頃
読者だった人が就職して編集に関わってきたりと変遷が見えて来て面白く思え
てました、ある分野では「プロはマニアの成れの果て」という言葉がありますが
専門誌がマニア(アマチュア)を育てその中からプロが生まれて行く過程が垣間
みられます。子供の頃にワクワクしながら読んでいた専門誌の影響が直接でないが
進学、就職に微妙にあったなオッサンにとっては恐竜専門誌と出会っていればまた
違った人生になったかもしれません。
 しかし恐竜専門誌が長続きしないのは解せませんねえ、しいてあげればライター不足、
研究者(プロ)とアマチュアの敷居が違いすぎる事かなあ。

投稿: tune | 2011年4月27日 (水) 16時17分

tuneさん、コメントありがとうございます。
わたしも同感で、恐竜展や恐竜博などのイベント自体は集客数もあるし、成功していると思います。でないと、毎年やるわけないと思うのですが。

年少だった読者が将来その愛読書の編集に携わるというのは、マニアの理想ですよね。
そんな恐竜専門誌ができると本当にうれしいですね。

投稿: カズやん | 2011年4月27日 (水) 17時42分

恐竜では、ご飯は食べられない…どころか持ち出しです。
発掘作業は巨大土木工事で、大陸では国家プロジェクトに匹敵して、他国と共同で調査や民間のツアーまで取り込んで資金確保、しまいに私のとこまで出資しないかと連絡してくるぐらいですが…でも、日本と違い見返りとなる成果も確かに大きく、レプリカを造ってワールドツアーで外貨獲得なんてところもありますね。結局、石油等の資源と同じで、物のある国に資金も人も集中してしまうのでしょうね。

投稿: 恐竜のお医者さん | 2011年4月30日 (土) 16時17分

恐竜のお医者さん、コメントありがとうございます。
ま、パンダ外交のように恐竜が役に立つなら当然そうするでしょう。
日本はアニメやサブカルチャーでそれが出来た(過去形)はずなのに、「エンジェル・ウォーズ」や「トランスフォーマー」でお株を取られてるんですから…

投稿: カズやん | 2011年4月30日 (土) 18時39分

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