『「好きなこと」だけで生きぬく力』を読む
昨日、注文していた海洋堂の宮脇修一センムの本『「好きなこと」だけで生きぬく力』(WAVE出版)が届いて、早速読みました。
センムの声が聞こえてきそうな文章で、とても面白い内容でした。
(私がこのブログでも時々書きますが、海洋堂に電話すると「今来るな!ボケ!」とか返事されるのが、冗談ではないことが分かりますよ )
このブログを見ている方はたいがい知っていると思いますが、海洋堂と言えば、チョコエッグやリボルテックなどで有名なフィギュア制作会社ですが、本書は黎明期から現在までの会社としての海洋堂を支えてきた宮脇センム(社長)が自分の言葉で語った仕事論、海洋堂イズムです。
会社とはいえ、もとは模型が好きな若者が自然と集まってきた野武士の集団。
私を含め、原型師、造型師になろうなんて人間は社会不適合者の集まりですが、アクの強い、しかし模型に関しては他の誰よりも好きなセンムだからこそ束ねることができたと分かります。
「海洋堂の製品ひとつひとつに誰よりも愛着があり、うんちくが語れる」と文中にありますが、これこそが海洋堂の商品の強みであり、造型師のモチベーションにもなっているのでしょう。
また本書には社長の目から、成功する造型師は2つのパターンがあると書いています。
ひとつは「圧倒的な才能」をもったもの。
そしてもうひとつは「才能がなくても、一心不乱に続ける」もの。
これは実際に何十人、何百人の造型師や造型師志願の人間を見てきたひとの言葉ですから重みがありますね。
本書はカテゴリとしてはビジネス書のようですが、これから造型師を志す若い衆が読んでも大変刺激のあるものだと思います。
また造型師の立場からですが、拙著「ぼくは恐竜造形家」にも海洋堂の黎明期のエピソードを少し載せていますので、合わせて読んでみると面白い(かもしれない)ですよ(便乗便乗 )。
ま~趣味ひとつとっても、歳を取ると、ついつい大人の分別、常識にとらわれてしまいますが、「好き」に理由なんかいりませんね。
こんどサインもらいに行こ!(「来んな!ボケ!」←センム)
(このブログは「恐竜模型の世界」の一部です)
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コメント
カズやん 様
ブログでのご紹介、ありがとうございます!
センムさんの熱くて破天荒な生き方には、学ぶとことがたくさんあると思います。
より多くの方たちに、読んでいただると嬉しいです!
今後とも、よろしくお願いいたします。
WAVE出版 担当編集より
投稿: 大村栄治 | 2012年1月23日 (月) 17時28分
大村さま 担当編集さんの直々のお書き込み、恐れ入ります!
本の宣伝になっているか心配ですが、ブログには若い造型師志望の少年少女も見にきているので、きっと良い(?)参考になる本だと思います。
投稿: カズやん | 2012年1月23日 (月) 19時17分